フィリピン留学を考えている方の中には、せっかく留学するのだからTOEICの高スコア等の形に残すために、TOEICコースを考えている方も多いのではないでしょうか。
とくに帰国後に就職活動を控えている大学生や、社会人はスコアは欲しいところですよね。
そこで今回はTOEIC高得点は就職活動で有利なのか、ということをまとめてみました。
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TOEICは採用試験で重視されるのか
大学生が就活の時期に差し掛かり、「そろそろ就活始めなきゃな」と、多くの学生が動き始める時期。ほとんどの大学生が考えることは、自己分析やウェブテスト、OB訪問やエントリーシートの準備ではないでしょうか。そして、それらに加えて多くの大学生が「TOEIC」等の英語スコアも考えるかと思います。
近年、国内市場の縮小に伴い、日系企業のグローバル化がより進んでいます。その中で、海外出張や海外駐在、そして国内にいながら海外とやりとりを行う重要性が増してきています。
TOEICを運営する、国際ビジネスコミュニケーション協会が2013年に行った調査によると、「新卒採用時にTOEICスコアを参考にしますか?」という質問に対して、「参考にしている」あるいは「参考にすることがある」と回答した企業は全体の約70%となっています。
そのため、現状TOEICの点数が高ければ、新卒採用を行う企業の選考試験においては有利になると言えます。
また転職の際にも、TOEICの点数が高ければ英語が出来る、と判断されるため有利と言えるでしょう。英語を使う職種等、転職先の幅も広がります。
特に日本の企業では、留学の成果としてTOEICのスコアを求める会社もございます。少なからず、高スコアを持っておいて損はないといえます。
一部の大手企業に入社するにはTOEICの勉強は必須
TOEICの点数を重視する企業はどのような企業が多いのでしょうか。
外資就活ドットコムによると、企業がTOEICに求める点数としては、野村不動産、住友不動産等の企業が800点以上、三菱電気、大和運輸等が700点以上、アサヒビール、シチズンホールディングスは650点以上となっています。
入社時のTOEICの点数を重用視する企業の特徴としては、海外拠点の立ち上げや海外企業の買収を積極的に行い、現地拠点への出張や駐在が多い、あるいは国内にいながら海外とのやりとりが多い会社であると言えます。
また、同じく外資就活ドットコムが行った、外資系金融機関や大手総合商社内定者に取ったアンケートによると、外資系企業の内定者のTOEICの点数の平均が869点、総合商社の内定者が868点であり、非常に高い平均点であると言えます。
これらから考えられることは、海外展開を積極的に進めている日系企業の場合は、TOEICの点数は高ければ高い程好ましく、大手総合商社が外資系企業はTOEICの点数が800点を超えていることは、ほぼ必須のである条件と言えるでしょう。
重要なのは「TOEICエリート」であることではない
このように見てみると一見、「TOEICの点数を上げれば、良い企業に入ることができる」と推測されてしまいそうですが、本当にそうでしょうか?
多くの企業が「TOEIC高得点」を求める背景として、「海外マーケットへの進出の加速」があり、そのために海外で勤務できる人材を求めています。海外で勤務できる条件としては、語学力の他に、異なる文化を受け入れることや、精神的なタフさなど、語学力以外の要素が多く求められます。
そのため、TOEICの点数が高いに超したことはないものの、「海外で勤務ができそうか」ということが重要になっています。
またTOEICのスコアが高いだけで、英会話があまり得意ではない、というのも問題です。
これは恐らく、担当業務の内容以外にも、異文化理解やコミュニケーション、英語で商談をまとめる力など、TOEICの点数以外の能力も出張者の選考基準になっていると考えられます。
このように、入社時点では点数としてはある程度参考にはされるものの、実際に会社に入ってからは、「英語を使用して仕事ができそうか」が見られているのではないでしょうか。
TOEICができても仕事で生かせないタイプ
学生時代に勉強が得意だった日本人に多いのが、「TOEICエリート」です。
これは、TOEICの点数は高いが、実務になると英語が使えないというものです。具体的には、TEICの点数が800点以上あり、高度な単語や文法は読めば理解できるが、実際に街中で外国人に道を聞かれたり、英語で自己紹介をしたりする時に、言葉に詰まってしまうタイプのことです。
TOEICの点数を上げる勉強のみを行っていたとしても、英語でコミュニケーションを取る力が上がるわけではありません。そのため、周囲からは「英語ができる」と思われていたとしても、実際の仕事で使えないなんてこともよくあります。
英語を仕事で生かせている状態とは
英語を仕事で英語を使用できるとはどのような状態のことを指しているのでしょうか。
具体的には、海外の企業からかかってきた自社商品の問い合わせの電話で、相手が知りたい内容に英語で回答できたり、海外出張先で新しい取引先を開拓できたりするなど、英語を使用して求められる成果を出すということが「英語を仕事で生かせている状態」です。
この状態を実現するには、英語で言いたいことを正確に伝える力をはじめ、間違っていても堂々と話す力や、言葉以外の手段で相手に理解させる図解のスキルなどが必要になります。
本物の英語力を身につけることを目指そう
繰り返しますが、企業によってはTOEICの点数を重要視するため、出来るだけTOEICの点数を上げておくことが望ましいと言えます。
また、TOEICの点数を上げておけば、「英語ができる」という印象以外にも、「コツコツと勉強できる」「期待された結果を出せる」といった印象を面接官に与えることができます。
しかし、就活でアピールするための手段としてのみTOEICを勉強するのは、「将来的に英語を使って海外と仕事をする」という企業側の期待とズレが発生する可能性があります。
そのため、「TOEICの試験対策としての英語勉強」に留まらず、どうやったら英語学習によって、自分の価値が高まるのかということを忘れないようにしましょう。
できれば、就活が始まる前の大学1,2年生の頃から、将来的に海外と仕事ができる能力を身につけるため、留学や海外インターンシップに参加するのが良いでしょう。
そうすると、結果的に実践的な英語をマスターすることができますし、英語力が底上げされることで、TOEICの点数もそれに比例して向上します。
英語を使って将来どんな仕事がしたいかを考える
英語の勉強に限った話ではありませんが、目標を持つ事が非常に大切です。
そのため、TOEICの勉強に限らず英語の勉強を開始する際には、「何のために英語を勉強するのか?」ということを、自分に問いかけるようにしましょう。
そうすることで、「就活のためのTOEICの点数を上げる」という、目先のテクニック論に縛られずに、より長期的な視点で英語力を獲得することができます。
フィリピン留学でTOEICコースはあり?
ここまでTOEICが就職活動に有利だということを説明してきましたが、フィリピン留学でTOEICコースを選ぶのはありか、ということについてご紹介します。
学校によって若干の違いはございますが、TOEICコースはあくまでスコアアップに特化したコースです。そのため、英会話力の伸び率は通常のESLコースと比べると劣ります。せっかく留学にきたのであれば、英会話力も伸ばしたいですよね。
ですので、「会社からTOEICのスコアを求められた」「入りたい企業にTOEICハイスコアが必要」などの明確に留学の目的がTOEICのの方はTOEICコースはありです。
しかしTOEICスコアを上げたい、ということが留学の目的ではない方はESLコース等を選んだほうが良いかもしれません。
通常のESLコースで英会話力を伸ばして、自習でTOEICの勉強をするだけでも、TOEICのスコアを伸ばすことはできます。
最後に
「TOEIC高得点は就活で有利になるか?」という問いに対しては、「有利になる」というのが現状の回答です。
しかし、TOEICの点数を上げることだけにフォーカスをしていると、いざ会社に入って英語を使用する業務が発生した時に、即戦力とはなりにくいと言えます。
そして、海外出張などの選抜はTOEICの点数よりも、むしろ実務的な能力や、異文化コミュニケーション力、自分の意見を主張する力などが基準になっていると考えられます。
そのため、できれば学生のうちに、出来るだけ多くの外国人とコミュニケーションを行ったり、留学や旅行をしたりするなど、TOEIC学習に留まらない、より高次元の英語力を獲得することをおすすめします。